Domaine du Chétif Quart
ドメーヌ デュ シェティフ カール
- 当主
- Lucas D’Heilly Huberdeau
- 地域
- Bourgogne Côte Chalonnaise
- 所在地
- Moroges
概要
北にコート・ド・ボーヌ、南にマコネの丘に挟まれたコート・シャロネーズ地区は、長さ35km、幅7kmの丘陵に南北に長く広がるワイン生産地です。
この地域は丘陵に木立、森林、牧草地、葡萄畑などが広がり、変化に富んだ美しい景観を作り出しています。葡萄畑は主に南や南東に面した最適な斜面にあり、コート・ド・ボーヌによく似た粘土石灰質中心の土壌を持ち、暑い夏と乾燥した秋に恵まれて葡萄は良く熟します。
ドメーヌ・シェティフ・カールは、コート・シャロネーズの中心部の自然遺産『モンアヴリル』の麓にある、モロジュ村のシェティフ・カールと呼ばれる集落にあり、モロジュ、ジャンブル、ジヴリの三つの村に5ヘクタールの畑を所有しています。
その殆どは、モンアヴリルの丘の中腹、斜面の中腹、南または南東に面していて、標高300〜400メートルに位置しています。
ドメーヌの敷地は鳥類保護連盟(LPO)によって、建物の近くだけでなく葡萄畑にも、約50の鳥類保護区が設置されています。
彼らは早くから生物多様性とそれを支えるバランスを尊重することを不可欠と考え、1978年の設立時からオーガニック(有機農法)を選択しています。
これはブルゴーニュにおける有機農法のパイオニアと言っても過言ではないでしょう。
全キュヴェについてSO2は、マロラクティック発酵終了後に添加することとし、収穫から発酵過程では使用していません。瓶詰め時に関しては、必要に応じて極少量を添加しています。
歴史
1978年に、現当主のルカ・デイィ・ユベルドーの両親であるピエールとマルティーヌが、両家のファミリーネームを統合したドメーヌ デイィ・ユベルドーを設立したのが始まりです。
1ヘクタールにも満たない葡萄畑から始まったドメーヌは、徐々に面積を拡大し、ピノノワール、シャルドネ、アリゴテを栽培するようになりました。
同じ大学で生態学を学び、環境問題や人間の活動が自然と生物多様性に与える影響について認識を深めてきたピエールとマルティーヌは、ビオロジックやサステナビリティへの関心が高かったため、当時ではまだ新しい試みであった有機農法を設立時から採用しました。
同時にブルゴーニュ及び全国における有機農業組合の発展にも尽力し、1983年よりオーガニック農法を推進する活動的な団体「ネイチャー&プログレ」に加盟しています。
95年に、ドメーヌ内に特別な「クレマン工房」を造りました。そしてそれ以降、すべてのクレマンはシャンパーニュのノウハウを継承した伝統的な製法で、全行程を手作業を中心に生産されています。
現当主のルカは、ディジョン大学医学部を進学し医師となるかたわら、両親の仕事を手伝っていましたが、2019年に、高齢となった父の助けとなるため本格的にドメーヌに入り、同時にかかりつけ医として診療所を開業しました。
2020年、ドメーヌ名を、所在地の名前を冠した「ドメーヌ・シェティフ・カール」に変更し、現在に至ります。
こだわりのクラフト製法
生産量の半分を占めるクレマンは、手作業によるクラフト製法が特徴。
クレマンは一般的に酸を残すために葡萄を「青い段階」で収穫しますが、当ドメーヌはアリゴテのみ青く収穫し、ピノノワール、シャルドネはあえて完熟で収穫、
それぞれ別々にアルコール発酵およびマロラクティック発酵を終了させます。これも安価なクレマンとは異なる点です。
ルミュアージュは今でも3週間以上かけて毎日手で行い、リキュールは自家製果汁を元に手作りしています。デゴルジュマンも多くは下請けに出して行われますが、シェティフ・カールではクレマン工房内で半手作業で行っています。
取り扱いワイン
CREMANT DE BOURGOGNE BRUT
クレマン ドゥ ブルゴーニュ ブリュット
原産地呼称 |
AOC:CREMANT DE BOURGOGNE |
品種 |
ピノノワール45%、シャルドネ40%、アリゴテ15% |
タイプ |
白泡 |
平均樹齢 |
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収穫年 |
NV |
栽培面積 |
ha |
ALC |
12.5% |
収量 |
hl/ha |
生産本数 |
15000本 |
取得認証 |
ECOCERT(2024.3) |
土壌 |
粘土石灰質 |
栽培 |
徹底した有機農法、収穫は手摘み |
醸造 |
単年度の葡萄を使用して醸造、醸造所在住の自然酵母により発酵、自然なマロラクティック発酵を促す。 |
熟成 |
シャンパーニュ製法で瓶内二次発酵を最低12か月以上。手作業のルミュアージュ(動瓶) |
味わい |
きめ細かな泡が持続的に立ち上る淡いゴールド/熟した黄色の果実、トーストなどの香り/さわやかでフレッシュな酸、メロンや砂糖漬けフルーツのような果実味、きめ細やかな泡がシルキーな口当たりのスパークリング。
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料理 |
アペリティフ |
メモ |
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GIVRY 1ER CRU “LE PARADIS”
ジヴリ プルミエ クリュ “ル パラディ ”
原産地呼称 |
AOC:GIVRY 1ER CRU |
品種 |
シャルドネ100% |
タイプ |
白 |
平均樹齢 |
20年 |
収穫年 |
2023 |
栽培面積 |
0.5ha |
ALC |
14% |
収量 |
hl/ha |
生産本数 |
3000本 |
取得認証 |
ECOCERT(2024.3) |
土壌 |
南向きの年度石灰質土壌の畑。 |
栽培 |
ビオロジック栽培 手摘みで収穫 |
醸造 |
24時間のデブルバージュ、自然酵母による10日間のアルコール発酵、自然なマロラクティック発酵を促す |
熟成 |
オーク樽およびステンレス槽で澱とともに10か月熟成、澱引き・清澄・濾過して瓶詰。新樽の使用10% |
味わい |
輝きつやのある淡いゴールド/白い花や白桃、ミネラル、アーモンドの香り/フレッシュな酸、白い果実の豊かな果実味。ふくよかで表情豊か、豊富な酸をささえるコクがあり、しっかりとした味わいの辛口白ワイン。
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料理 |
エスカルゴ、カワカマスのクネル、ホワイトソースやバターソースを使った魚・鶏の料理、マコネやシャロレのシェーブルチーズ |
メモ |
Le Paradis 単一畑のキュヴェは、シェティフ・カールが唯一の生産者です。 |
BOURGOGNE ALIGOTE “ LES MOLOTTES ”
ブルゴーニュ アリゴテ “ レ モロット ”
原産地呼称 |
AOC:BOURGOGNE ALIGOTE |
品種 |
アリゴテ100% |
タイプ |
白 |
平均樹齢 |
50年 |
収穫年 |
2023 |
栽培面積 |
ha |
ALC |
12.5% |
収量 |
60hl/ha |
生産本数 |
3000本 |
取得認証 |
ECOCERT(2024.3) |
土壌 |
南向きの粘土石灰質土壌の畑 |
栽培 |
ビオロジック栽培 手摘みで収穫 |
醸造 |
24時間のデブルバージュ、シュールリー製法、自然酵母による10日間のアルコール発酵、自然なマロラクティック発酵を促す。 |
熟成 |
オーク樽40%、ステンレス槽60%で10か月熟成、澱引き・清澄・濾過して瓶詰 新樽の使用5% |
味わい |
緑がかったレモンイエロー/レモンなどの柑橘やエキゾチックな果物、白い花の香り/いきいきとした酸、柑橘系の豊かな果実味、フローラルな香りとドライフルーツのニュアンスが特徴の辛口白ワイン。
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料理 |
アペリティフ、グジェール、あらゆる前菜、魚料理、てんぷらや寿司などの和食 |
メモ |
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BOURGOGNE COTE CHALONNAISE ROUGE “ LES PASSEREAUX ”
ブルゴーニュ コート シャロネーズルージュ “ レ パスロー ”
原産地呼称 |
AOC:BOURGOGNE COTE CHALONNAISE |
品種 |
ピノノワール100% |
タイプ |
赤 |
平均樹齢 |
35年 |
収穫年 |
2023 |
栽培面積 |
ha |
ALC |
13% |
収量 |
60hl/ha |
生産本数 |
12000本 |
取得認証 |
ECOCERT(2024.3) |
土壌 |
南向きの粘土石灰質土壌の畑 |
栽培 |
有機農法 収穫は手摘み |
醸造 |
セメントおよびステンレス槽で自然酵母による15日間のアルコール発酵、約15度の低温で初期発酵、1日2回のピジャージュによるマセラシオンを数日間行う、その後、自然なマロラクティック発酵を促す。 |
熟成 |
オーク樽およびステンレス槽で10か月熟成、澱引き・濾過して瓶詰。新樽の使用10% |
味わい |
輝くルビー、ストロベリー、ラズベリー、チェリーなどの赤い果実、バニラの香り、繊細でエレガントなアロマ、爽やかな酸味、しなやかで上質なタンニン、繊細で柔らかなミディアムボディ
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料理 |
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メモ |
ジャンボンペルシエ、赤ワイン仕立てのポーチドエッグ、コック・オ・ヴァンなど |